ヒーローの回復力

人類は常に速さを追い求めて進化してきた。

現代でも早く仕事を終わらせる方法や、早い移動手段を模索し続けている。

効率化と言ってもいいかもしれない。

しかし本質は早さである。

そもそも早いというのはカッコいい。

小学生の頃は足の速い人がモテたし、ウサインボルトは今でもカッコいい。

サッカーでも早いドリブルをするメッシやロナウドはやっぱりカッコいい。

料理でも包丁さばきが早い人は出来るヤツ感が一段とアップする。

少し前には秒速で何億も稼ぐ男が世間を騒がせた。

早さは出来る男の象徴だと思う。

そんな彼らのことを敬意を込めてこう呼びたいと思う。

 

「早い男」

 

これではまだ少し説明が足りていないかもしれない。

敬意も足りていない。

彼らはいつでも早く終わらせる。

遅れることは基本的にない。

彼らは律儀なジェントルマン。

そんな彼らはこうも呼べる。

 

「いつも早い男」

 

だけど、時と場合によっては「早い」は決して良いことにはならないらしい。

時と場合によっては相手が「えっ、もう終わったの」と困惑する時もあるらしい。

「さっき始まったばっかりじゃん」と怒りたくなる人もいるらしい。

オープニングからの即クライマックス。

敵が出てきたらすぐ倒す。

もしくはすぐ倒される。

「終わるの早いよ〜」

もしそう思ってもその気持ちを口から漏らさないでほしい。

早さについては漏らしてはいけない。

そしてよく考えてみてほしい。

彼らはあなたが寂しくなったとき、連絡をすればいつでも側に駆けつけてくれるような紳士だったはずだ。

彼らはあなたの元へすぐにいく。

そしてあなたの元でもすぐにいく。

だって彼らは早い男。

でも安心してもらいたい。

映画でも敵に倒されたヒーローは必ず復活して戻ってくる。

何度だって立つ。

そしてヒーローは復活した後の方が強くなり、そして賢くなる。

攻撃よりもディフェンスの方が大事なことに気づく。

スタミナ配分のことも学ぶ。

次こそは12ラウンド戦うことができそうだ。

もしもまた即KOされるようなら、それは相手が強すぎるのだ。

そんな時は相手に手加減してもらいたい。

彼らは相手が自分よりも凄腕のファイターだと知ると急に怖気付く。

「戦ってきた数が違う」と嘆く。

「攻撃が効いているフリをしているかも」と疑う。

「コンビネーションが足りない」と練習不足を悔やむ。

ヒーローは意外とナイーブなのだ。

なので強そうな相手との試合は避ける場合もある。

でも最も大事なのは気持ちだと思いたい。

魂のこもったパンチなら、たとえワンパターンであっても相手に届いていると信じたい。

そしてもし彼らが早々に倒れてしまっても、立ち上がることを信じて待っていてほしい。

必ず強くなって戻ってくるから。

何度だって復活するから。

だって彼らはヒーローなのだから。