「かめはめ波」を出せると本気で思っていたあの頃

子供は物事を純粋に捉えるし、いろんなことを信じやすい。

自分も子供の頃はサンタクロースを信じていたし、「大人のおもちゃ」の看板を見て「大人専用のおもちゃってあるんだ」と本気で思ってたりもした。

でもサンタクロースは実際に海外にはいるし、「大人のおもちゃ」も、遊び方は少し意外だったかもしれないけど「大人専用のおもちゃ」であることには変わりないので、子供の時の考え方が全て間違っているという訳でもない。

それでも、やっぱり子供の頃は勘違いしていることが多かった。

一番の間違いは「かめはめ波」を出せると本気で思っていたことだと思う。

これはたぶん私だけではないと思し、なんなら多くの人の「子供の頃あるある」だとも思っている。

幼稚園の頃くらいなら、親の前でもドラゴンボールごっこをして「くらえー」「うわーやられたー」的な遊びをしたと思うけど、「かめはめ波」の練習はそんなに優しくない。

まず、小学生の2、3年生くらいに成長しているので「もしかして、本気出しても出ないかも」くらいの予想をしている。

あと、その年頃になると「かめはめ波」の練習を本気でしている姿を親に見られるのは恥ずかしいので、家に誰もいなくなってから、こっそりと練習を始める。

声も強めに出す。

全神経を両方の掌の付け根辺りに集中させて、「かめはめ」のところの発声は本場に習って少し小さめに声にして、「波」のところで「破ーーー!!!!!」くらいの勢いで挑む。

もちろん出ない。

でも子供の頃というのは、自分が特別な存在だと勘違いしているので「他の技なら出るのでは?」と、少ない知恵を振りぼって、自分の特別感をなるべく肯定しようとしたりする。

「魔貫光殺砲」も試めしたし、「気円斬」にもチャレンジした。

「気円斬」とかになると、漫画の中でも雑魚キャラよりの奴が出す技のなので、あまり気持ちが乗らなかった。

やっぱり主人公が使う技を出したいので、別の漫画だけど同じ少年ジャンプ系列ということで、幽白の「霊丸(れいがん)」も練習した。

人差し指だけに集中すれば良いところがやり易いので気に入ったし、あと男の子は大体が拳銃好きなので、テンションが上がった。

もちろん、こっちも出ない。

たぶんこの頃あたりから「自分が特別な存在ではないかも」ということに、うっすらと気づき始めたのだと思う。

サンタもこの頃あたりから来なかった気がする。