渋谷でスケボーやってると超かっこいい

かっこ良くなりたい。

でも、かっこ良いとは一体どういうことなのか。

映画「紅の豚」のキャッチコピーは「かっこいいとはこういうことさ」なので、これを観れば飛行艇に乗ったり、空賊を倒したり、ジーナとフィオとイチャイチャしたりすると、とりあえずはかっこ良い部類に入れる事がわかる。

でも豚になるのも、二人の女性とイチャこくのも若干難しめなので、もっと現実的なかっこ良さから攻めていこうと思う。

その前に大事なことが一つある。

かっこ良さとは時代によって大きく変化する。

分かりやすい例でいうと、今の時代は「路上でタバコを吸っている姿」はあまりかっこ良くない。

ポイ捨てなんてもっての他だ。

でも少し昔なら、ダンディーな男が街中でタバコを吸ってポイ捨てしてもかっこ良く見える場合もあった。

もしも今これをやったらダンディー具合は一気に失われる事は確実だし、むしろ渋いおじさんが道に落ちてるタバコ自主的に拾ったりしている方がダンディーに見えると思う。

そう考えると今、この時点で最もかっこいい行為とは、「渋谷でスケボーに乗って、坂道を高速で下る」という結果に導かれることについては異論はないだろう。

まず渋谷はかっこいい。

そしてスケボーもかっこいい。

坂道はもちろんかっこ良いし魅了的。

その証拠に今、秋元康プロデュースの「坂道シリーズ」が世間を賑わせている。

そして、この三つのかっこ良さに「高速」というキーワードも加わるのだ。

これでかっこ良くならないはずがない。

漫画「刃牙」の中で、花山薫が「握力×体重×スピード=破壊力」だと言っていた。

つまり、これが更に一つ増えて「渋谷×スケボー×坂道×高速=かっこ良さ」になるのだから、恐ろしい数値がはじき出されるのは想像に難くない。

スカウターは確実に吹っ飛ぶ。

私はこの脅威の戦闘力を生で観たことがある。

渋谷のヒカリエの付近に、割と道幅が広くて綺麗で、路面の状態的に見ても非常にスケボーで下りやすい道がある。

私がその道を歩いている時だった。

カーブがある坂道なので、姿こそ見えないが、何やら坂の上の方からスケボーの滑る音が聞こえてきた。

それも複数だ。

その音はどんどん近づいてくる。

そして、私の目の前にあったカーブを曲がり終わった時に、その音の正体は姿を現した。

それは「渋谷の坂道でスケボーに乗り、高速で下りる連中」だった。

そのスケボー集団は、風を切るような早さで私の横を颯爽と通りすぎていった。

その時に私はこう思ったのだ。

 

「あぶねー」

 

ぶつかったらどうする。

いくら若い連中だからといって、もしもぶつかった時に「痛てててぇ。すいません。若気の到りでつい渋谷の坂道でスケボーに乗って高速で滑ってしまい、結果的にあなたと衝突をしました。この状態は決して褒められたものではありません。本当に申し訳御座いません」と丁寧な分析と謝罪をされても許すことはできない。

言葉遣いの違和感がすごすぎる。

これを今風の「政治家の発言を短縮して、悪意を持って繋げる方法」を採用すると、「若気の至りで痛てててぇ」になる。

「前方」と「言葉」のどちらにも注意が足りてないし、そもそも全然かっこ良くもない。

タバコでも拾ってろ。