この前電車に乗っていた時の出来事。
おそらくママ友のつながりで仲良くなった家族5組が、レジャー帰り風の服装で電車に乗っていた。
パパ同士の会話は敬語だったし、初対面の人達もいそうだったけどすごく和気あいあいとしていた。
子供達もすごく元気だった。
私は子供達が電車で騒ぐのはそんなに嫌いじゃない。
なんなら日本の電車は静かすぎるので、大人だってもう少し騒いでも良いとさえ思っている。
そうは思ってはいるのだけど、思えない時だってある。
パパ達の会話があまりにうるさいのだ。
子供よりもオヤジの方がうるせーのだ。
むしろ子供は疲れて半分くらい寝ているけど、オヤジ達は酒も入っているっぽいのでテンション高めの超ビックボイス。
「自分のガキくらい黙らせろよ」と奥さんに怒鳴る人にはあまり関心はしないけど、「頼むから旦那を黙らせてくれ妻達よ」と私は心の中で何度も唱えていた。

ビックボイスだともちろん会話が丸聞こえになるので、世間話収集家の私が耳を傾けてみると「嫁の職場自慢」のような話しをしているようだった。
「俺の嫁はラーメン屋のパートだからまかないでラーメンが食い放題」とか「嫁のパート先は店長がいい人だから働きやすい」とかを楽しそうに話している。
少し新鮮な気がした。
少し前だったら「俺の収入があまり良くないので共働き」的な会話を、自分から楽しいそうにすることはあまりなかった気がする。
もちろん奥さんが働く理由は旦那の収入だけではない場合も多々あるので、一概には言えない。
しかしその話題はママ達も巻き込んでさらに大変盛り上がっていった。
ただ1人を除いては。
明らかに1人のママが会話に加わっていない。
終始苦笑いのような愛想笑いだ。
私はこう思った。
「1人だけ専業だな」
もしかしたら、ただ無口なだけの人なのかもしれない。
しかしプロを目指している私の目はそう簡単には誤魔化せない。
「その表情。この話題に乗れていないな」と私は思った。
もちろん専業主婦に対してどうこうを言うつもりはない。
しかし私は「専業と思われる女性」が、4人を相手にマウンティングで圧勝しているような気がした。

そんなことを想像していたら、パパ達の騒がしい声はいつのまにか気にならなくなっていた。