今だから分かる「草食系男子」という言葉のありがたさ

いつの時代でも流行りの言葉ってありますよね。

「なう」とか「ざぎんでしーすー」とか「欲しがりません勝つまでは」とかです。

ちょっと前にも「草食系男子」という言葉が流行っていましたけど、最近ではあまり聞かなくなりました。

これが流行ってる時は結構うざかったのだけど、いざ無くなってみると、少し困ることがあることに気づいたのです。

どうやら草食系男子って、「女性に消極的なやつ」という意味と「モテないやつ」という意味を混同してくれる、だいぶ懐の深い言葉だったみたいです。

「俺、今流行りの草食系なんで」と自虐まじりに自ら発信することで、自分がモテない理由を「消極性」に全部押し付けることができたんですね。

この言葉が使われなくなって、ようやくそれに気づくことができました。

「失ってはじめて気づく大切さ」ってやつです。

この言葉がないと、「なんで彼女いないの?」と誰かに聞かれた時に困るんですよね。

「自分から女性にアタックする性格でもないんで」と謙遜して言ったとしても、「ただモテないだけだろ」と思われることになる。

「出会いがあんまりないんで」と言い訳しても、「出会いがあってもお前じゃ無理だろ」と思われてしまう。

でも「草食系男子」という魔法の言葉さえあれば、「もっと自分からガツガツいかないと」みたいなアドバイスがもらえてしまうような、良い流れになるんですね。

アドバイスはアドバイスでだいぶウザいしマジfuckなんですけど、原因を全部「草食うタイプ」であることに押し付けられるのは、今思うと便利だった気がします。

さらにいえば、「草食系男子」の語源は諸説あるのだけど、その中の一つに、モテない女性が言い訳として「最近の男は全然ガツガツこないから草食系って感じ~。どんだけ〜」とIKKO風に言ったことが始まりという説もあるみたいなんですね。

それをうまく使うと「俺が彼女いないのは自分が草食系男子であるのが原因だし、さらにいえば、そもそもこの言葉ってモテない女が勝手に言い出しんでしょ。まじウケるんですけど」みたいな感じにして、責任転嫁と同時に話題をすり替えることも可能なんですよ。

便利ですよね。

そして、そんなふうに話題の矛先を少し変えたら、別のタイミングで「でも実は俺ロールキャベツ男子なんで」とか言って、自分の「草食うキャラ」からの脱却も図れるんですね。

肉肉しさをだす場面は実際にはほとんどなくても、「俺ヤルときはヤリますよ」みたいにただ粋がってるだけの田舎のヤンキーみたいなダッサいセリフを、「流行りの言葉」というオブラードに包んで、良好な状態で相手の胃まで運んで消化してくれるんです。

そうすればあとは、ウンコになって相手のケツから出てくるだけ。

良い時代でしたよね。